参加メモその2:読書の森(松原市民松原図書館)見学会+シンポジウム
2020年2月20日の松原市民松原図書館見学会+シンポジウム、参加メモその2。その1とその3もあります。
当日聞き取れた範囲、書き留めた範囲のメモです。
・見学会 15:00〜17:30
予定より参加人数が増えたため、バックヤードの見学はツアー形式から、時間を区切っての自由見学に変更でした。
全体的には、コンクリート部分が多い割に硬さや冷たさより暖かみを多く感じ、デザインの面白さ、居心地の良さも感じました。
○気づいたポイント
・小テラス
各階にあるのは、ちょっとした気分転換に良さそう。
・自習室
他のフロアと区切られて独立している。静謐な環境が欲しい人はここを利用すると良いのでは。席の予約システムも良さそう。自習室Aが長机で、入り口が引き戸なのは車いすの人でも使いやすいように?
・床輻射冷暖房(コンクリート床下に冷温水パイプを埋設)
耐用年数はどれくらいなのだろうか。床に埋め込みで穏やかに効く空調という話だったが、10年20年と使っていって壊れた時の館内への影響、修理の難易度はどうなんだろう。
・屋上と小テラス
椅子やテーブルの清掃・メンテナンスは運営にどう組み込まれてるのだろう?
・2階~3階の吹き抜け
吹き抜け部分は小さい。書架兼家具の開口部と階段のみ。子どもフロアから下のフロアへ、音が抜けすぎないようになっているのだろうか。
・1階~2階の吹き抜け
雑誌ブラウジングや飲食コーナーの椅子を引く音は耳につく気がする。コンクリート床と椅子の脚が直接触れて、少し音が出る。人の声はそこまで響かない印象。カウンターの作業音(バーコード読み取りの音とか)はどうだろう。開館日に確かめてみたいところ。
・閉架書庫
2階フロアと壁やガラスでの仕切りはなく、空間はつながっていて吹き抜け越しに中が見える。書庫へはバックヤードからしか入れない構造。手動の集密書架や、製本新聞の棚などがある。
・1階フロア
ロビーは音が響きやすいように感じたけれども、一般開架の奥へ行くとそれほど気にならない印象。響きが増幅する感じではない。
・1階の西窓
夕日がかなり入る(当日だと16時台)。利用者にとっても眩しいし、ティーンズ棚・社会科学の棚など複数列に日光が射していた。設計時に日光で本が焼けにくい配慮をされているけど、この時間帯はカーテンを閉める必要がある。登壇者のお1人から「開館日は夕方カーテンを閉めるはず」と聞いたので、その運営はぜひ続けて欲しい。
確保されていると思う。1階開架へのスロープがフロアの外周を回る形になるのと、慣れない内はエレベーターでの移動が分かりづらいだろうけれど。1階開架を入り口より掘り下げてるのと、2階がスキップフロアになっているからか、エレベーターのフロア表示は5層になっている。あと、視覚障がいを持つ方がどの程度使いやすいのかは気になる。
○ここはちょっと…?と感じたポイント
・閉架書庫の製本新聞
置き方が良くない。設計ではなく運用の問題だと思う。縦長の棚に、小口を下に立てて置いている。本文の重さが下にかかり、いわゆる「逆バッケ」になっている製本が多かった。製本を横置きできるサイズの棚が置けなかったのかもしれないし、収容率と取り出しやすさのメリットがある棚なのかもしれないが、小口を下にしていると重い製本がすぐに傷んでしまう。せめて背表紙を下にして置いた方が良い。
・2階~3階への階段
エレベーターの奥にあって、初めての人には場所が分かりづらい。サインがあったかもしれないけど、当日は目につかなかった。
・トイレ
階によって位置が違う。1階と3階は似た位置にあるけれど。慣れないうちは探しづらいかもしれない。
・1階一般開架のサイン
書架上部の分野名のサインと床面のサインが、その分野の最初の列にあったり、2番目の列にあったりとまちまち。上部のサインは、入り口からの見えやすさを優先したものだから良いけれど、床面のサインの位置が各分野の始まりだったり真ん中だったりなのは、利用者へのミスリードにならないだろうかと思う。
第二部のシンポジウム(参加メモその3)で「その建物における体験をデザインできているか」という言葉がありましたが、私の見方もこの図書館での体験をイメージできていたとは言えないので、粗探しっぽくなっているかもしれません。
当日、数時間滞在しただけの間に感じたことなので、通常の開館時に長時間・複数回いれば、また季節によっても感じ方は変わると思います。また訪れて確かめてみたいところです。